このところのスイーツ事情を語るのに、外せないのはドーナツだ。その先駆けは、2004年にNYから上陸した「ドーナツプラント」。白金台の1号店は連日の大行列となった。その後、06年12月には、新宿のサザンテラスにノースカロライナ州発祥の「クリスピー・クリーム・ドーナツ」が上陸。爆発的人気となったのは、記憶に新しいところだろう。

おしゃれなNeynのドーナツ各種と和楽紅屋の七尾鳥居醤油ロール。
おしゃれなNeynのドーナツ各種と和楽紅屋の七尾鳥居醤油ロール。

アメリカンスイーツの代表のように思われるこのドーナツに、ついに日本発の高級ドーナツ店が登場し、やはり人気となっている。赤坂に今年9月にできた「Neyn(ネイン)」。スタイリッシュな店内に、1つ230円から300円のドーナツが並ぶ。オーナーの山田善久さんはアメリカではなく、「フランス菓子に着想を得た」という。甘さ控えめで、こってりとした印象は薄い。

そして面白いのがこの経営者。東大卒後、旧興銀に入行、楽天の初期メンバーの一人で、現在の職業は、このドーナツショップ一本だ。

ドーナツと並んでもう一つ、スイーツ界での話題が「醤油」スイーツである。塩キャラメルや塩チョコなど、塩スイーツが人気を呼んだのも記憶に新しいが、その次に続いたのは、どうやら醤油。

超人気パティシエの辻口博啓さんが手がける、玉川タカシマヤ内の「和楽 紅屋」で売られている「七尾鳥居醤油ロール」が人気の火付け役となった。生地とカスタードクリームに辻口さんの故郷、七尾の醤油が使われた柔らかいロールケーキで、口にしてもすぐに醤油とはわからないが、どこか懐かしい味。なるほど、世代を超えたヒット商品になるのも納得。値段も1575円と手頃だ。

いずれも話題性豊富で、持ち運びもしやすく手土産には最適である。

(小川聡=撮影)