2012年の末、僕は自分のマンガ『限界集落(ギリギリ)温泉』の電子書籍版コミックを、アマゾンのキンドルというプラットフォームを使って「自主出版」した。

雑誌やコミック単行本の売り上げが右肩下がりに落ちていく中で、僕のような中堅どころのマンガ家は、食べていくのがどんどん難しくなりつつある。キンドルでの自主出版は、そんな状況で生き残るための試みの一つだった。

実はそれまでにも、つきあいのある出版社が、別のプラットフォームで僕のマンガを電子書籍として売り出していた。でも、売れたのは1巻当たりせいぜい数十冊。初刷2万部が標準の紙のコミックの世界と比べれば、とても商売とは呼べない。