携帯電話の主流がスマートフォンに移行するにつれ、気になるのが月々の維持費。大人に加えて子供たちにもスマホを持たせると、従来の料金体系では1台7000~8000円の使用料が、家族の人数分だけかかる。

そこで家族でMVNO(仮想移動体通信事業者)を利用した「格安スマホ」に変更しようと考えている読者も多いかもしれない。だが、格安スマホは月々の料金は3大キャリアに比べて安いが、音声通話に追加料金が必要だったり、故障時のサポートが街のショップでは受けられなかったりと、現時点ではファミリーユース向けとはいいづらい。スキルのあるユーザーの2台目端末としてなら問題ないだろう。

私のおすすめは、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアが相次いで導入した、新しい料金プランへの切り替えだ。家族全員のキャリアを1つにまとめ、ファミリー向けのサービスを上手に使えば、従来の料金体系よりも大幅に使用料を節約できる可能性がある。

NTTドコモが口火を切った各社の新料金プランの最大のポイントは、「通話は定額制、データ通信は従量制」という点。従来の料金体型の基礎だった「通話は従量制、データ通信は定額制」という考え方を、根本から見直した。

データ通信料の定額制は、かつてのパケット単位の課金が、通信の高速化やマルチメディア化に伴うデータ量の増大にそぐわなくなったため導入されたもの。従来のスマホ契約では、一端末あたり5700円(7GBまで)の定額パックへの加入が必須だった。だが、利用明細などで確認してみると、一般的なユーザーであれば、データ通信量が7GBに達することはあまりない。私自身、メールやSNSなどでスマホをあれこれ活用し、出先でノートパソコンをネットに中継するテザリング機能もときどき使うが、月々のデータ通信量は3GB程度。動画をたくさん見たりアップロードしたりするようなヘビーユーザーでもなければ、7GBを使い切ることはまずない。データ通信をあまり使わなくても一律5700円というのは、多くのユーザーにとっては割高な設定といえる。