鉄道ライターの小林拓矢さんは、こうした動きの背景に、著作権料などのコストがある可能性を指摘する。
「JR東は近年、コスト削減の動きが強まっており、駅メロについても合理化が進んでいると見られます。特に、著作権者や音源を制作した会社には使用料が発生するため、そうした支払いを減らそうという事情もあると思います」
小林さんは、こうした合理化が進めば、JR東が管理するメロディーは残る一方、他社が制作した音源や著作権者のいる楽曲は、さらに減る可能性があるとみる。
「どの駅でも同じ音が流れるようになれば、駅の区別がつきにくくなり、駅や地域への愛着が薄れることにもなります」
ご当地駅メロは、消えてなくなるのか――。JR東では27年春、京浜東北線や中央・総武線各駅停車などでワンマン運転を始め、30年ごろまでに山手線、埼京・川越線などでも実施する計画だ。ご当地駅メロの今後について、JR東はこう回答した。
「ワンマン運転実施や設備更新のタイミングなどで、線区統一メロディーへの変更を行う場合があります」
駅ごとに親しまれてきた音は、これからさらに減っていくのかもしれない。
19駅に残す「大阪らしさ」
対照的なのがJR西日本だ。ご当地駅メロを地域の魅力づくりに生かす取り組みが続いている。
大阪市内をぐるりと一周する大阪環状線には19の駅があり、それぞれに異なる発車メロディーが設定されている。
例えば大阪駅(大阪市北区)で流れるのは、歌手でタレントのやしきたかじんの代表曲「やっぱ好きやねん」。天満駅(同)ではシンガー・ソングライターのaikoの「花火」、桃谷駅(同天王寺区)では歌手・河島英五の代表曲「酒と泪と男と女」が流れる。多くは大阪にゆかりのあるアーティストや、駅周辺の地域性にちなんだ曲だ。
