新幹線500系
写真=iStock.com/Boarding1Now
新幹線500系

JR西日本の新幹線500系が、2027年に役目を終える。鋭く長い先頭部と独自の設計で多くのファンを魅了しながら、「のぞみ」からは早くに退いた。その歩みをたどる。

世界最速タイで「のぞみ」にデビュー

「新幹線で一番かっこいい車両」

そう呼ぶファンは少なくない。JR西日本の新幹線500系。この名列車が、2027年1月13日をもって定期運行を終え、同年7月には営業運転を終了する予定だ。6月22日、JR西日本が発表した。理由は車両の老朽化だった。

SNSには「ついにXデーが」「ありがとう500系」といった数多くの投稿が寄せられた。

JR西日本の担当者は言う。

「私どもとしても非常に思い入れの深い車両でした」

500系は、JR西日本が独自開発した唯一の新幹線車両だ。1997年3月、山陽新幹線の「のぞみ」としてデビューし、同年11月には東海道新幹線にも乗り入れた。

87年の国鉄分割民営化後、JR西日本は飛行機や自動車という「ライバル」の台頭に危機感を募らせていた。特に山陽新幹線では、関西―九州間で航空機に対抗するため、さらなる高速化が課題だったとされる。

当時の新幹線の性能は、現在とは大きく異なっていた。

山陽新幹線が全通し、東京から博多まで新幹線で結ばれた75年、主力は「団子っ鼻」で有名な0系だった。最高速度は時速210キロで、所要時間は東京―博多間が6時間56分、新大阪―博多間が3時間44分。89年に最速230キロの「グランドひかり(100系)」が登場し、東京―博多間を5時間47分、新大阪―博多間を2時間49分に短縮した。92年にはJR東海が開発した300系が東海道新幹線の「のぞみ」として登場し、最高速度が時速270キロまでアップ。93年に山陽新幹線にも乗り入れ、東京―博多間は5時間4分、新大阪―博多間は2時間32分まで縮まった(所要時間はいずれも最速)。