500系は高速性能を追求するため、前述のように先頭部に長い鼻を持つ独特の形状を採用した。その分、先頭車両の前のほうに乗降用ドアを設けることができず、他の形式より座席数が少なかった。座席の配置も異なり、ダイヤが乱れた際に別の列車の運用に回したり、他の形式で500系の運用を置き換えたりすることが難しかった。指定席の割り当てなどに支障が出やすく、運行本数の多い東海道新幹線では弱点となった。
そこに、JR東海とJR西日本が共同開発したN700系が登場する。2007年7月に営業運転を開始すると、500系は「のぞみ」での運用を次第に減らしていった。そして10年2月を最後に東海道新幹線への乗り入れを終え、「のぞみ」運用からも退いた。
その後、500系は16両から8両編成に短縮され、山陽新幹線の各駅停車の「こだま」に転用された。使われなくなった車両は廃車となった。
エヴァ新幹線、ハローキティ新幹線へ
しかし、と小林さんは続ける。
「結果的に、500系の寿命を延ばすことにつながりました」
新幹線の寿命は15年ほど。「こだま」に転用された500系は、最高速度が抑えられ、走行距離も短くなったので、以前ほど酷使されず、車両への負荷が軽減された。そのため、寿命が延びたという。
「あのまま東海道・山陽新幹線で最高速度を出して走り続けていたら、30年も走り続けることはできなかったでしょう。不幸中の幸いでした」(小林さん)
