「2036年開業視野」ニュースの根拠
JR東海は、2024年3月に開かれた国交省のリニア静岡工区モニタリング会議で、静岡工区の工事スケジュールについて初めて説明した。
静岡工区の工事は、「不確実性を伴うトンネル工事の中でも極めて難易度が高く、掘削距離が長いということで、着手から開業まで10年を要すると考えていた」ことを明らかにした。
このJR東海の説明を根拠に、各メディアは「品川―名古屋 2036年開業視野」(日経新聞)などと「10年」程度で静岡工区の工事が完了して、2030年代後半にリニアが開業すると報道することになった。
いまでも各メディアは静岡工区の工事期間を含めて開業まで「10年」という目安で報道している。
難工事を「9年」で終える?
モニタリング会議で、JR東海は「具体的には、2017年11月に工事契約を締結して、契約締結後、速やかに工事着手し、ヤード整備、トンネルの掘削、ガイドウェイの設置工事、機器の調整試験等を行い、2027年12月の開業を目指していた」と説明している。
JR東海と大成建設、佐藤工業の工事企業体との静岡工区のトンネル本体工事の請負契約の契約締結は2017年11月だが、完成は2026年11月までとしていたから、静岡工区の工期は「9年間」だった。
となると、線路に当たるガイドウェイの設置工事、機器の調整試験等を1年間で行い、2027年12月の開業を目指していたことになる。それも、その1年間に品川、名古屋間286キロで、時速500キロで浮上推進するリニア営業車両の「試運転」を行うことも含めていたことになる。
いくら何でも、そんな短期間ですべてのことを終えるのはムリである。
もっとムリだったのは、静岡工区のトンネル工事をたった「9年間」で完了しようと計画したことである。

