秘書が上司とうまく仕事をしていくうえでは、話し方や仕事の進め方を相手に合わせる必要があります。上司を代表的な3タイプに分けた場合の傾向と対策として、この項目では「神経質なタイプ」についてお話しします。
「神経質なタイプ」は、言葉数が少なく、こだわりが強く、何事もきちんとしたい細やかな神経の持ち主です。仕事をする環境は清潔で、整然と片付いていることをこのみます。仕事そのものも丁寧かつ正確にやりとげたいと考えるタイプを想像してください。
このタイプは、何事にも正確なので、スケジュール管理や締め切りに関しては心配する必要がありません。また、自分のルールから外れた行動もしないので、1度パターンを理解してしまえば、次の動きが予想しやすいのも特徴です。
しかし、どちらかといえば、雑談などは苦手で、自分からはあまり情報提供をしてくれません。そのため、秘書のほうから積極的かつ押し付けがましくないようにコミュニケーションをとり、情報収集していかなくてはなりません。さらに、仕事が立て込んでいるときや、シンキングタイムには「そっとしておいてほしい」と考えるので、話しかけるタイミングも慎重に見計らう必要があるでしょう。
仕事の進め方に関しては、時間厳守は当たり前。誤字脱字などのケアレスミスをもっとも嫌うので、いつも以上に念入りにチェックしてから、時間に余裕を持って提出します。また、自分が関わっている案件に関しては、細かい部分まですべて把握しておきたい性格なので、「ホウ・レン・ソウ」もマメに行いましょう。上司がイライラせずにすむよう、「あの件はどうなったの?」と聞かれる前に報告するようにしてください。
このタイプの特に大変なところは、情報は少ないのに人一倍こだわりが強い点です。たとえば、書類のまとめ方ひとつをとっても、クリアファイルに入れるのかクリップなのか、とめるとしたらどの部分がいいのか、書類はどこにどのように置きたいのか……などなど。おおらかな上司は「どうでもいい」と考えるような部分まで、きちんとしなくては気がすまないのです。また、思い通りにいかなくても、いちいち秘書に伝えることはせず、自分の好きなようにやり直している場合もあるので、上司が席を外した際に時にはデスク周りをさりげなく観察するなど、秘書には上司以上のきめ細やかな気遣いや目配りが求められます。