生産性を5倍に引き上げる分業モデル
「ブロッコリー農家にとって一番しんどいのは『収穫作業』です。ある農家さんでは、夜中の12時から畑に入って収穫し、その後に梱包、朝10時の出荷に間に合わせるような過酷な生活をしています。毎晩そんな生活が続いたら、農業がちっとも楽しくないじゃないですか」
井上さんがそう語るように、ブロッコリーは収穫期の見極めが難しく、畑の中で適切なサイズのものを一つひとつ包丁で切り出す「選択収穫」が必要となる。1つの畑に10回以上入ることも珍しくない。これほど収穫に時間がかかると出荷に間に合わせるためには夜中のうちに畑に来るしかないのだ。
この労働集約的な作業がボトルネックとなり、農家は今以上に作付面積を増やせないという問題を抱えていた。さらに、近年開発が進む自動収穫機についても、井上さんは「アメリカの巨大な畑で機械収穫を見たことがありますが、結局は人が目で見て切っていく方が圧倒的に速い。ブロッコリーの完全機械化はまだ厳しいと感じています」と分析する。
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