なぜ貯金はダメなのか 親のお金の価値観が子の生涯年収を決める
子供に「どうやったらお金持ちになれるの?」と聞かれても、答えられる親はほとんどいない。サブスクD2C総研代表の新井亨さんは、そう指摘する。
「お金に悩む人がこれほど多い国は日本以外にありません。学校でも家庭でも子供がお金について深く学ぶ機会が圧倒的に少なく、親は『勉強だけしていればいい』で済ませてしまう。結果、そのまま社会に出てお金が貯まらず悩んだり、詐欺に遭ったりする」
サブスクD2C総研代表、RAVIPA代表。University of Wales MBA修了。北京へ留学中に起業。不動産、美容、貿易を中心に、シンガポールや中国、香港、台湾の華僑系企業とのビジネスを数多く手がけている。
年収が上がっても不安は消えない。第一線で活躍するスポーツ選手でさえ、現役を離れれば収入が途切れる怖さを抱えている。新井さんはそうした姿を見て、収入の額よりも「質」が変わらなければ日本人のお金の不安は消えないと考えるようになった。
きっかけは、大学3年で交換留学した中国・北京での体験だ。ルームメイトは華僑の富裕層の子で、将来の資産設計や複利、ポートフォリオの話を当たり前に語る。同年代なのに話がまったく噛み合わずにいると、相手からこんなことを言われた。
「日本は世界一金持ちになりやすい国なのに、なぜ貧乏なのか」
真面目に時間を守り、法律も治安も整った日本は、仕組みだけ見れば誰でも稼ぎやすい。それを生かせていないだけという事実に衝撃を受けた。
本書は「お金の教育」と銘打っているが、単なる投資本ではない。華僑ビジネスを数多く手がける著者が、華僑の家庭が子供に教える「信用を失わないこと、時間を味方につけること、人に必要とされる価値をつくること」という人間関係の基礎にまで迫る。
先に相手を助け、感謝された分だけ対価としてお金を受け取る。それが長く稼ぎ続ける人の共通点だという。労働収入だけでなく資産収入の柱を持ち、時間をかけて複利で増やせば、会社員でも億の資産は十分に狙える。
「『家でお金の話をするなんてみっともない』と考える日本人は多いですが、その考えこそ貧乏になる思考です」とキッパリ。少額でも株を買わせる、お金を増やすゲームで遊ばせるなど、子供に体験させることが大事だという。
「子供を“億りっ子”にしたければ、『貯金しなさい』と言う代わりに『お金は寝かせないで増やしなさい』と伝えるべきです。親の価値観が子供の生涯年収を決めるのですから」
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