ストロークが失敗だったらどうするか

さて、そうなったらどうするか? ここで必要なのが、「リドレッシング・アクション」。パフォーマンス学では「つくろい直し」と呼んでいるステップです。

私たちが相手に会って最初のストロークを投げ、そのストロークが失敗した場合、人間同士の行動には、次の4つのプロセスが発生します。

(1)離(breach)
(2)機(crisis)
(3)つくろい直し(re-dressing action)
(4)統合(re-integration)

お互いがいい関係に戻っていくためには、この「つくろい直し」がうまくいかないといけません。

自分がストライクゾーンにストロークを投げず、とんでもない方向へ球を投げてしまった。会話中にそうわかったら、慌ててクダクダと言い訳をしてはダメです。まず、話題の転換ができるかを試みましょう。「どうも、失礼なことばかり聞いてしまってすみません」と、まずきちんと謝るのが「つくろい直し」です。そして、相手がそれで少し表情を和らげてくれたら、次の話を続けるのもOK。

でも、もし「当然だろう、怒っているよ!」という表情だったら、「次回はもう少し喜んでいただけるような話を用意して、いま一度アポイントをいただきます」と、さっさと退散しましょう。なんとしても今つくろい直そうと思って、不要な言葉を次々に並べていくと、ますます相手は気を悪くします。「この時間泥棒(タイムキラー)!」と、内心舌打ちをしているかもしれません。

ストロークがうまくいって話が進みだした人は、その調子で話をどんどん続けていけばいいのです。どんどん続けるために何が必要かは、また次回お伝えします。まずは、ここまでのストロークの投げ方をしっかりと身につけてください。ビジネスの初動の効率が見違えるほどよくなります。

(PANA=写真)
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