真面目なAさんと、不真面目なBさんの分かれ道

ここで、私が実際に見てきた患者さんの例をご紹介しましょう。

和田秀樹『65歳からは戦略的ちょいデブ』(青春出版社)
和田秀樹『65歳からは戦略的ちょいデブ』(青春出版社)

Aさん(72歳男性)は、現役時代から非常に真面目な方でした。定年後も会社の健康診断の数値を気にして、医師にいわれた通り「塩分控えめ、脂質控えめ」の粗食を徹底していました。

大好きだったトンカツも年に一度とがまんし、奥様の手料理も野菜中心。その甲斐あって体重は20代のころと同じというスリムな体型を維持していました。

しかし、70代に入ってから、Aさんは急に風邪をひきやすくなりました。一度風邪をひくと長引き、肺炎になりかけて入院。退院後も食欲が戻らず、みるみるやせてしまい、今では「外に出るのが怖い」と家に引きこもりがちになりました。典型的なフレイル(虚弱)のスパイラルに陥ってしまったのです。

一方、Bさん(72歳男性)は、いわゆるちょいワルな雰囲気を持つ、少しお腹の出ている方です。健康診断で「中性脂肪が高い」「やせなさい」といわれても、「はいはい」と聞き流し、週に数回は友人と焼肉や居酒屋に行き、好物の肉料理を平らげています。

医師から見れば不真面目な患者かもしれませんが、Bさんは肌もツヤツヤで、声にも張りがあります。風邪などほとんどひきませんし、毎日あちこちに出かけて人生を謳歌しています。

AさんとBさん、どちらが幸せな70代といえるでしょうか? 医学的に見ても、Bさんのように「栄養(たんぱく質と脂質)」が満ちている体のほうが、免疫力が高く、病気を跳ね返す力があるのです。

真面目さが裏目に出るのが、高齢期の健康管理の落とし穴です。Bさんのように「少し不真面目なくらいがちょうどいい」というのが、私の実感から導き出される結論なのです。

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