うつ状態から抜け出すために、まず何をすればいいのか。精神科医の宮島賢也さんは「何がストレスか自分でもわからない人は多い。最初の一手は紙とペンで“原因”を言葉にすることだ」という――。(第2回)

※本稿は、宮島賢也『自分の「うつ」を治した精神科医の方法』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。

医師の後ろ姿
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うつ脱出の鍵は「加点主義」

僕は、メンタルセラピーを通して、うつの人たちに、うつから脱出する方法を自分で見つけてもらうようにしています。それらのポイントを整理して、次に紹介しましょう。

やりたいこと、楽しいことを見つける

うつになった人は、目標を失い、何をすればよいかわからなくなっています。目標がないから、うつになったわけです。

やりたいこと、やっていると楽しいことが見つかれば、うつから脱出する糸口になります。好きなこと、楽しいことをしているときは、エネルギーがあふれ出てきます。

自分のいいところ、できることを見つける

うつになった人は一般に、減点主義が身に付いています。自分ができなかったこと、失敗したこと、他人よりも劣っていることなど、マイナス点を数えあげます。

そして、常に自分に、不満足感・不充分感をもち、満足することがありません。こういう考え方は、自己否定につながるし、心はつらくなっていくばかりでしょう。

その考え方を、加点主義に変えます。つまり、できないこと、足りないことに目を向けるのではなく、できたことや長所に目を向けます。そして、できたこと、長所だと思うことを、数えあげます。その材料は、日常の、ほんのささいなことでもかまいません。

ただ生きているだけでいい

はじめは、ひとつでもいいのです。お勧めは、目が覚めたことや、水を飲めることにも喜びを感じることです。ただ生きていることに喜びを感じられるようになると、毎日が幸せです。

あなたも、生まれてきたばかりのころは、その存在だけで周りの人たちを喜ばせていたのです。人間は、存在そのものが尊いのです。赤ちゃんのころに思いを馳せ、そのころのあなたの家族の笑顔を思い浮かべてみましょう。

ただ生きていることの価値を認識し、その喜びを感じてみてはいかがでしょう。生きててよかった、生まれてきてよかったと思えると、楽になります。