「男系男子が適切」「女系は1度もない」発言
今年の天皇誕生日に発表された天皇陛下の記者会見でのご発言は、異例の内容を含んでいた。これまで、ご自身のおことばとして率直に語られることがなかった、敬宮(愛子内親王)殿下がご結婚後も「皇族」として皇室にとどまられることを強く願われるご本心が、吐露されていた。このご発言は、皇后陛下や敬宮殿下ご本人のお気持ちを踏まえたものと受け止めるのが、当然だろう。
これについては、先月のプレジデントオンライン、「天皇陛下がこれほど率直な本心を示されたことはない」皇室研究家が会見から読み取った愛子さまへの強い望み(2月27日公開)で詳しく紹介したので、関心のある方は参照してほしい。
天皇皇后両陛下のご長女が皇室にとどまられるのであれば、将来は天皇として即位されることが最もふさわしいはずだ。そのことは幅広い国民の望みとも合致する。何しろこれまでの各種の世論調査では、7割から9割の国民が「女性天皇」を支持する結果が出ているのだから。
ところが高市早苗首相は、天皇誕生日からわずか4日後の2月27日の衆院予算委員会で、皇位継承について「皇統に属する男系男子に限ることが適切」「皇位が女系で継承されたことは1度もない」などと答弁した。これに対して多くの国民から失望の声があがり、波紋を広げている。
首相発言はあまりにもお粗末な「失言」
まず、「男系男子に限る」という発言が間違いだったことが、同日午後に早速、明らかになった。
木原稔内閣官房長官は記者からの質問に対して、高市首相の「男系男子に限る」という答弁が皇位の継承資格ではなく、皇族数確保策の1つ「養子縁組」の対象者を念頭に置いた発言だった、と事実上の訂正を行った。
高市氏は答弁の中で、「政府としても、私としてもこの報告書を尊重する」と述べていた。
この有識者会議は、もともと「安定的な皇位継承を確保するための諸問題、女性宮家の創設等について」検討するために、設置されたものだ(令和3年[2021年]3月16日、内閣総理大臣決裁)。にもかかわらず、その報告書では皇位継承問題から逃げて議論を先送りし、皇族数の減少への“目先だけの”対策についてしか扱っていなかった。その弥縫策の1つとして、旧宮家系子孫の国民男性が皇族との養子縁組が可能になる制度改正も提案されていた(報告書11〜12ページ)。
だから当然ながら、皇位継承について「男系男子に限るのが適切」といった文言は、報告書にはまったくない。
高市氏の発言は国会での首相の答弁としてはあまりにもお粗末な「失言」と言うしかない。

