「欲しい本」より「出会う本」を売る

この旅を通じて、大垣さんが選んだのは、効率といった「速さ」で勝つことではなく、書店だからこそ生まれる「出会い」で勝つという道だった。そこに腹をくくった。

だが、日本に目を向ければ、書店を取り巻く状況は決して楽観できるものではない。1996年をピークに、出版物の販売額は長期的に減少を続けている。全国の書店数もこの25年でほぼ半減し、「紙の本はもう限界だ」と語られることが少なくない。

この逆風のなかで、大垣書店は30年売上を伸ばしてきており、異例の存在だ。