為替レートの決定権は実質的に中央銀行にある
なぜリフレ派だった私が、いまインフレ警戒派へと立場を転じたのか。この変化を説明するにあたり、イギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズの「状況が変われば私は意見を変えます。あなたはどうなさいますか」という言葉ほど、現在の私の姿勢を支えてくれるものはない。経済は常に変化し、適切な政策判断もまた状況に応じて更新されるべきである。
アベノミクス以前、日本は長く続くデフレと雇用難に苦しんでいた。黒田東彦前日本銀行総裁が断行した「異次元緩和」の最大の功績は、新たに約500万人の雇用を生み出したことにある。500万人という数字は想像しにくいが、東京ドームの収容人数の約100倍に相当する。
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