副業を奨励する動きがメーカーを中心に目立つようになってきた。不景気で会社が従業員の収入や手当を保証できなくなってきている。この動きは今後も広がっていくだろう。
私が『週末起業』を上梓した2001年にも雇用不安が高まり、サラリーマンの側にも起業を志す人が増えた。ここ数年は景気がよかったので、私が主宰する「週末起業フォーラム」は不景気だったが、昨年の秋口くらいからは参加者が2倍を超える盛況ぶりとなっている。
「住宅ローンが払えない」など、切迫感をもって来る人も多い。きちんとした事業収入を得ることを目指す週末起業は腰を据えて取り組む必要があるため、当座の収入が必要な人には副業をすすめている。
副業といっても、コンビニでのバイトや選挙スタッフなど単発の仕事はあまりおすすめしない。どうせやるなら、スキルアップにつながること、リフレッシュになること、趣味を活かせることを仕事にしたい。
例えば、「サラリーマン農業」が注目を集めている。農地を借りて2年も続ければ様になってくるし、ネットで直販するという道も開ける。Web制作の仕事などは24時間体制なので、スキルを活かして本業のあとでもできる。将来、飲食店を開きたい人には、ミステリーショッパーやモニターの仕事もある。『おいしい副業生活マニュアル』には127種類の仕事が紹介されているので、副業選びの参考にしてもらいたい。
副業をするなら、税金の知識が欠かせない。『「無税」入門』は、副業を始めて開業届を提出し、35年間、税金を1円も払っていないサラリーマンが書いた本である。著者の主張には賛成できないが、サラリーマンの税金についてわかりやすく解説された唯一の本といっていい。