定年前も定年した後も会社や国に頼れない時代がやってきた。現役時代からイザというときに困らない「資格」と「副業」を探そう。
「22歳から定年までの労働時間と、定年から男性の平均寿命である約80歳までの生活時間がほぼ等しいといわれています。その時間をあなたはどのように使いますか?」と問いかけるのは、『サバイバル副業術』の著者であるライターの荻野進介氏だ。
その定年後の時間を使った働き方が生活安定の鍵となるのだが、高齢者の再就職口は少ない。そこで、現役時代から副業を始めるという考えが浮かんでくる。そうした際に重要なのが、何のために副業をするのかをしっかり問い直しておくことである。
荻野氏は、「副業は『副職』と『副業』に大別できます。副職は誰でもできる、時給制のアルバイトのような仕事。しかし、誇りを持って仕事をしてきた人が、単なる小遣い稼ぎで満足するのか。『副業』はやりがいの感じられるキャリアの一部であるべきで、それなりの覚悟も投資も必要です」という。
実際に副業で成功した人とそうでない人の違いは、地道な努力を長く続けているかどうかという点にあるそうだ。成功者は身銭を切って本を買ったり、有料セミナーに参加している。
とはいえ、手持ちの資金次第でやれる副業の内容も変わってくる。「余裕がある人は不動産経営に挑戦してもいい。少ない初期費用でできるのはインターネット関係。自分のホームページで特定の商品などを紹介し、それらが売れたときに紹介手数料を得るアフィリエイトや、ネットオークションなどが代表的です。パソコンが得意なら、パソコン教室などでの講師もあります」と荻野氏はいう。
本格的に軌道に乗せるまでには時間も労力も必要だ。そのため、確固たる収入がある定年前に副業に挑戦してみることが鍵となる。その点でもネット関係なら始めやすい。ただし、ネット関係のビジネスには詐欺まがいの勧誘も多く、注意が必要だ。