●椎名家の家計
-高収入も吹き飛ぶ年間360万円の養育費
【年収】1500万円【貯蓄額】240万円
【家族構成】[夫]50歳 大手商社管理職[妻]36歳 専業主婦
[長女]22歳 大学4年生(前妻)[長男]20歳 大学2年生(前妻)[次女]9歳 小学3年生
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椎名家の家計簿

離婚歴があり、前妻の子が社会人になるまで養育費を支払う約束。リタイア後は実家に帰るつもりなので、今は都心の賃貸マンション住まい。末っ子がまだ小さく教育費が心配。

●栗山家の家計
-教育費3人分の重荷を妻の収入がカバー
【年収】1700万円(夫 1500万円+妻 60万円)【貯蓄額】1700万円
【家族構成】[夫]51歳 私立病院勤務医[妻]47歳 自宅で料理教室
[長男]21歳 大学3年生[長女]18歳 高校3年生[次男]16歳 高校1年生
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栗山家の家計簿

夫は勤務医、妻は自宅で料理教室を開き毎月5万円程度の収入がある。長男、長女は私立に通い、次男は公立。住まいは15年前に買った小さな庭付き一戸建て。

養育費の支払いで生活はギリギリ

年収1500万円は羨望の高収入。豊かな生活を楽しみながら悠々自適の老後を迎えられるはず――誰だってそう思う。だが、高収入の人には高収入の人なりの事情がある。悩みなどなさそうな部長でも、家に帰ればヤリクリに四苦八苦しているかもしれない。

大手商社に勤める椎名さんはベイエリアのマンションで、妻と娘の3人で暮らしている。1500万円の年収があるものの、現在の貯金は240万円しかない。定年まであと10年を切ったのに、娘はまだ小学3年生。だんだん教育費が増える中で、老後資金の準備もできない状況だ。

実は、椎名さんには離婚経験がある。原因が椎名さんにあったこともあり、自宅マンションは慰謝料として妻に渡した。さらに、2人の子への養育費と学費は年間で計360万円。椎名さんが高収入だからこそ、約束できた金額だ。年収1500万円といえども、これだけ払うと生活に余裕がなくなるのも無理はない。