●桜田家の家計
-セールで買いすぎ、結局損するザル家計
【家族構成】[夫]47歳 中堅商社管理職[妻]6歳 パート勤務
[長女]18歳 高校3年生[長男]16歳 高校1年生
子どもは2人とも私立に進学、教育費がかかるので妻がパートで働いている。家庭年収は1000万円を超えるのに、なぜ貯金ができないのか自分でも不思議。
●柏木家の家計
-妻の稼ぎがあっても夫の収入だけで生活
【家族構成】[夫]45歳 外食会社管理職[妻]45歳 団体職員事務職
[長女]17歳 高校2年生[次女]14歳 中学2年生
子どもを保育園に預け、ずっと共働きを続けてきた。家計は主に妻が管理、家事は家族で協力し合っている。子ども2人は公立に通う。あまり使わないので車は持っていない。
買い物ベタは家庭の不幸
年収が1000万円と聞くと、かなりリッチなイメージがある。だが、現実は意外に厳しい。少しいい場所に家を買い、子どもを私立に通わせて、日々の買い物もちょっと贅沢に――そんな生活をすれば、お金はすぐ足りなくなる。年収1000万円は、意外と中途半端な高収入なのだ。
その典型例が桜田さん。5年前に買った都内のマンションに住み、子ども2人は私立に通う。妻のパート収入と合わせて年収は1000万円を超えるのに、貯金は150万円しかない。このままでは、もうすぐ受験を迎える長女の大学進学資金も危ぶまれる。
桜田家の貯金が急に減り始めたのは、子どもが高校生になってからだ。だが、収入がかなりあって何とかもちこたえてきたため、家計がこれほど深刻な事態に陥っていることに今まで気づかなかった。実は、これがいちばん危ない。
だが、桜田家では家計簿をつけたことがない。そこで、預金通帳やクレジットカードの明細などをもとにつくったのが冒頭の図表だ。見ると、すべての項目が少しずつ脹らんでいるようだ。妻は買い物ベタで、「3個買うと割引」といった広告を見るとつい買ってしまうクセがある。本人は得した気分になっているが、余計なものを買い込んでいることに気づかないといけない。
こうしたムダな買い物をやめるなどで、食費3万円、被服費1万5000円の削減を図る。車も手放せば、月2万円の駐車場代や税金が浮く。こうして家計全般を引き締め、管理を徹底することで使途不明金をなくせば、毎月10万円は貯金が可能になる。さらにボーナス払いの買い物を15万円分減らせば、年間140万円の貯金ができるはずだ。