※本稿は、橘玲、樺山美夏『しんどい世の中でどうすれば幸せになれますか?』(文響社)の一部を再編集したものです。
「親ガチャ」って、やっぱりあるの?
(30代 ライター 女性Dさん)
【Dさん】会社員時代は周りの上昇志向が高すぎてついていけなかった。いまは子育ての合間にフリーライターの仕事をしていて、収入は減ったけれど、自分らしく生きられるようになった気がする。でも、やっぱり“親ガチャ”ってあるのかな?
【AI】「親ガチャ」というのは、親の学歴や経済状況、養育環境などによって子どもの人生が大きく左右されるから、生まれるまで当たりか外れかわからないという意味の言葉じゃ。キミはどっちだと思っているのかね?
【Dさん】母子家庭で貧乏だったという意味では「外れ」かもしれないけど、ポジティブな母親の子どもでよかったという意味では「当たり」かも……?
【AI】それは正しく言うと“遺伝ガチャ”の当たりじゃな。誰しも親から家庭環境だけでなく、遺伝子も受け継いでいる。知性、能力、性格、そして運まで、人は遺伝の影響から逃れられないことが行動遺伝学で明らかになっておる。
【Dさん】え? 能力が遺伝することは聞いたことがあるけど、知性や性格、運まで遺伝するなんて知らなかった!
思春期をすぎると「親の努力」は無駄になる
【AI】そうじゃ。早期教育や英才教育はたいして意味がない。幼児期は遺伝より環境の影響のほうが大きいから、親の努力が結果に結びつきやすい。しかし、思春期を過ぎると、本来の遺伝的な資質で才能が決まっていくから、親の努力はほとんど関係なくなるんじゃ。
【Dさん】へえ、私はてっきり習い事や塾に通っていた人ほど、能力が高くなって成功するんだろうと思ってた。
【AI】早期教育の効果が期待できるのは早期だけじゃ。「十で神童 十五で天才 二十過ぎればただの人」はよくある話で、その逆もある。子どもの頃は落ちこぼれでも、大人になってから偉業を成し遂げるケースはめずらしくない。
【Dさん】そういえば、私の同級生にもそういう人いるなあ。

