目の健康のためにはどんなことに気を付ければいいのか。眼科医の栗原大智さんは「間違った習慣が、目に取り返しのつかないダメージを与えてしまう。一見良さそうに見えて、やってはいけない行動を紹介しよう」という――。(第2回)

※本稿は、栗原大智『眼科専門医が教える最新知識 スマホ時代の「眼」のメンテナンス』(高橋書店)の一部を再編集したものです。

コンタクトレンズを持つ指のマクロショット
写真=iStock.com/Gorodenkoff
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目薬を「1回に3滴以上」は逆効果

外来ではよく「目薬は多く使ったほうが効くんですか?」と聞かれます。たしかに、感覚的にはよく効きそうな気がしますよね。

でも、それは間違い。「効果があるどころか、逆にドライアイが強くなったり、副作用が強く出たりするため良くないですよ」と患者さんには伝えています。

実際に、目薬を1回に何滴も使っている人の中には、目の表面に傷ができたり、目の周りが荒れたりしている人が多いのです。そういう方に正しい目薬の量を伝えると「目薬を何滴も使ったほうが良いと思っていた」「目薬が何滴も出てしまう」という答えが返ってきます。

目薬は1回に1滴で十分な有効成分が含まれ、添付の文章にも1回1〜2滴と書かれていますし、容器を軽く押せば適量が出るように設計されています。

では、目薬を1回3滴以上使うとどのような症状が出てくるのでしょうか。まず起こりやすいのが「ドライアイ」です。目薬を1回に何滴も使うと、もともと目の表面にある涙のバランスが崩れ、ドライアイの症状が強く出ることがあります。

特に塩化ベンザルコニウム(BAK)という成分が含まれるものは、目の表面をザラザラにする「角膜上皮障害」の恐れがあります。

むしろ副作用が強く出る

ドライアイも角膜上皮障害も、目のかすみやゴロゴロ感、痛みなどの原因になります。そして、もう一つのトラブルが「副作用」です。目薬を何滴も使うと、効果が強くなるどころかむしろ副作用が強く出ることがあるのです。

特に緑内障の目薬には、目だけでなく全身に影響する成分を含むものがあり注意が必要です。それ以外の目薬でも、目からあふれた成分が目の周りの皮膚に残ってしまい、かゆみや黒ずみなどの皮膚トラブルの原因になることがあります。

そのため、目薬の使用は1回1〜2滴が適量です。これと似た理由で、目を洗う習慣も実は目にはよくありません。

〈眼科医のつぶやき〉
通常の点眼ボトルから出る1滴は約0.04〜0.05mlですが、目に溜められる量は約0.02ml。つまり目薬の半分以上は目の外にあふれます。1回の点眼量は1滴で十分です。