40~50代賃金はかつては20~24歳の2倍も今は1.5倍
中高年社員の賃金は2000年以降、下降傾向にある。年齢階級による賃金カーブ(所定内給与)は20~24歳を100とした場合、45~49歳は1995年に191.0だったが、2022年は159.8にまで下がっている。
50~54歳は1995年に194.4と、約2倍だったが、2022年は166.9となっている(労働政策研究・研修機構調査)。
このまま推移すれば、中高年の賃金はいずれ20~24歳の1.5倍程度しかもらえなくなる日も近いだろう。これは全体の数値であるが、同じような傾向がどこの会社でも起きているだろう。
仮に24歳の月給が25万円であれば、1.5倍なら中高年は37万5000円になる。この給与で家族を養うことは難しくなる。
実は少子化の原因の大きな一つには中高年の賃金低下にもあると筆者は考えている。結婚適齢期の30代にとって15年後、20年後のときに自分はどのような職業人生を歩んでいるかを想像すると、モデルとなるのが45歳以上の会社の先輩だ。
先輩の給与が上がらない現実を目の当たりにしたとき、子どもが2人ほしいが、大学に行かせるのは無理だと直感的にわかる。持つとしてもせいぜい1人だろうと考えても不思議ではない。中高年の賃金の低迷は、20~30代の従来のライフプランの変更を迫られる。
少子化対策を考えるなら、子ども手当の増額もよいが、下がり続ける中高年の賃金のアップを期待したい。