日経平均株価が4万円を突破した後、20日間で1割ほど下落するなど、停滞している。新NISAで株を買った人はどうするべきなのか。複眼経済塾の瀧澤信さんは「月10%くらいの値動きは想定内。リスクを分散し積立投資しているなら慌てて売る必要はない」という――。

日経平均の下落で「新NISA民」がピンチ

日経平均株価は、今年3月22日に4万888円の高値を付けたあと、20日間で3万7068円まで約1割下落しました(図表1)。新NISAのスタートを機に1月から投資を始めた人の中には、「このまま投資を続けていいのか」と心配した人も多いのではないでしょうか。

しかし、この程度の下落は株式投資の世界においては実はあまり特別なことではありません。

むしろ、海には常に波があるように、株式の値動きには上にも下にも1割程度の上下は自然なことですし、台風の時に波が一時的に大きくなるがごとく、瞬間的に2割程度の上下動は普通に起こります。

ただ、通常は、台風が過ぎれば波は元に戻ります。その自然な動きに過度に翻弄ほんろうされるべきではありません。

短期間の値動きに一喜一憂しない

「木を見て森を見ず」ということわざがあります。「細部に気をとられて、物事の全体を見ていないこと」のたとえですが、相場でも同じです。

ごく短期間の値動きに翻弄されてしまうと、不必要に焦ってしまい判断を大きく誤る原因になります。

投資で利益を得るには、短期間の値動きにあまり一喜一憂するのではなく、長い目で見る癖を身に付ける必要があります。

また、重要なのは何が起きても深い傷を負わないような、上下動の波に対する耐久力のある投資手法を日頃から実践することです。

恐らく読者の皆さんは、危険を顧みない相場師ではないはずですから、なるべく重大な事故が起こらない、かつ一過性の暴風雨に負けないような投資手法を選択すべきでしょう。

本稿では、そのような考え方と方法についてご案内したいと思います。