移動平均線の順番が変わったら「トレンド転換」

また、トレンドが転換する際には、3本の移動平均線が近づいて、順番が変わることもわかります。

上昇が続いている時には上から13週、26週、52週の順になっていますが、下落に転換すると上から52週、26週、13週の順になっています。

このように移動平均線を見ながら株価のトレンドを把握する方法もあります。

今回の下落を見ると、26週移動平均線にもタッチしていません。26週移動平均線を割り込んで52週移動平均線にも近づいたのであれば、トレンドに変化がある可能性がありますが、そこまではいっていなかったのです。

うろたえて売却してはならない

では、52週移動平均線を突き抜けて、大きく下がる可能性が高くなった場合にはどうすればいいでしょうか。

新NISAは基本的には積立投資で老後に備えるためのツールです。それを前提にすると、仮に52週移動平均線にヒットしたとしても、うろたえて積み立てをストップしたり、売却したり、大きな行動を起こすべきではありません。

そもそも積立投資は、時間分散によってリスクを分散した投資法です。時間分散を活用した場合にどんな投資効果が得られるかを見てみましょう。

図表5~8は、パターン別に積立投資の効果をシミュレーションしたものです。

新NISAの積立投資枠に合わせて毎月10万円(年間120万円)を20年間積立投資したと仮定しました。

【図表】株価が20年間年3%成長を続けるケース
筆者作成

図表5は、株価が20年間、ゆるやかに上昇(年平均利回り3.0%)するパターン。青色が株価推移、茶色が投資元本の推移、緑色が資産残高の時価推移を示しています。

このパターンでは、20年後の資産残高の時価が3224万円となり、投資元本(2400万円)に対する増加率は+34.4%となります。