幸福度が最低になるのは「48.3歳」
幸福度と年齢の関係性について世界145カ国で実施された研究がある。
アメリカのダートマス大学のデービッド・ブランチフラワー教授が行った研究(*)によると、ヨーロッパ、アジア、南北アメリカ、オーストラリア、アフリカなどを含む世界145カ国において、幸福度と年齢の関係はU字形になることがわかっている。そして「U字の底」、つまり幸福度が最も低くなる年齢は平均48.3歳である。
*Blanchflower, D. G.(2021). Is happiness U-shaped everywhere? Age and subjective well-being in 145 countries. Journal of Population Economics, 34,575-624.
この研究結果には、豊かな国も貧しい国もあらゆる種類の国々が含まれており、40代後半から50代前半に幸福度が最低になることが世界的な傾向であることを示している。
50代前半は仕事に対するモチベーションが最低
日本においても、50代前半に対する興味深い調査がある。リクルートワークス研究所が行った仕事に対するモチベーションの調査(「シニア就労実態調査」)だ。
図表1は、仕事に対するモチベーションを表したグラフである。
この調査では、仕事に対するモチベーションを以下の6つに分類し、それらが各年代でどのように変化するかを分析している。
②生活との調和
③仕事からの体験
④能力の発揮・向上
⑤身体を動かすこと
⑥高い収入や栄誉
グラフは、上に行くほどモチベーションが高く、下に行くほどモチベーションが低いと見ることができる。そしてご覧の通り、50〜54歳が最も仕事に対するモチベーションが下がっていることがわかる。