「売上目標600万円」はどう達成できるか

STEP2 ゴールに至るまでの行動を「業務プロセス」で分解する

このようにKGIとしてゴールを設定したら、「このKGIを達成するために、自分が何をすればいいのか」を決めなければなりません。たとえばKGIとして今月の売上を600万円に設定しても、それだけでは何をすればいいのか行動の仕方が定まりません。

そこで次に、KGIに至るまでの行動を業務プロセスで分解します。営業で、「受注件数○件」がKGIであれば、受注に至るまでの「DM→電話→アポ→面談→商談化」の各プロセスに、行動を分解します。

人事で、「採用人数○人」がKGIであれば、採用に至るまでの「応募→書類選考→一次面接→二次面接→最終面接→内定承諾」の各プロセスに、行動を分解します。

行動を業務プロセスに分解することで、KGIを設定しただけでは漠然としていた「結果のために何をすればいいのか」を具体的にしていきます。

仮に「今月の売上目標が600万円」など、目標が金額だった場合はどうすればいいでしょうか。この場合は、この「金額ベースの目標」を分解して、「受注」という「行動ベースの目標」に落とし込みます。

たとえば、キーエンスのように電子機器を販売しているBtoBの営業担当者であれば、「KGI(目標売上)=商品単価×受注件数」となりますから、今月の売上目標が600万円で、担当している商品の単価が50万円であるとすれば、受注件数は12件になります。

すると、この担当者のKGIは、売上額で示せば600万円でしたが、受注件数で示せば12件になります。これをKGIとして設定してから、業務プロセスで行動を分解していくのです。

KPIは「プロセスごとで達成しておくべき数値」

STEP3 分解したプロセスごとに「行動目標」を数値で設定する

業務プロセスを分解できたら、プロセスごとに目指すべき「行動の量」を設定します。この数字を「行動目標」と呼びます。

行動目標を数値化する理由は、KGIを達成するために、現状で十分な行動を取れているかどうかを確認する指標が必要なためです。この指標を「KPI(Key Performance Indicator)」とも呼びます。

つまりKGIが「達成すべき目標の数値」であるのに対して、KPIは「目標を達成するためにプロセスごとで達成しておくべき数値」です。

KPIがあることで、プロセスごとにどこまで努力するべきなのか、あるいはプロセスごとに現在どのあたりまで達成できているのか、そしてどのプロセスが滞っているのかを把握できるようになります。

つまり、KPIはPDCAを回すために必要な指標と言えます。ここでもわかりやすいように、営業の場合の例と人事の場合の例を紹介しましょう。

まずは、営業の場合の例です。図表1を見ていただくと、受注に至るまでの行動がプロセスで分解されており、それぞれのプロセスごとに行動目標が立てられています。

画像=『数値化の魔力

このそれぞれのプロセスの行動目標の達成をすることで、KGIである受注件数を達成するのです。