「売れる営業」と「売れない営業」はどこが違うのか。人事・組織コンサルタントの相原孝夫さんは「営業職のハイパフォーマーの多くは、必ずしも話が上手くない。ペラペラ喋るより、口下手でも顧客の話をじっくり聞くほうが信頼されやすい」という――。

※本稿は、相原孝夫『人望が集まるリーダーの話し方』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

話をする人のイメージ
写真=iStock.com/kuppa_rock
ハイパフォーマーは「話が上手くない」(※写真はイメージです)

ハイパフォーマーは「話が上手くない」

営業職のハイパフォーマー分析で発見したのは、ハイパフォーマーの多くは必ずしも話が上手くないということです。

実際、「口下手なほうが信頼される」という類のことを多くの人から聞きます。

昔と違い、今は情報があふれています。調べようと思えばいくらでも調べられます。だから短い時間で多くの情報を話す必要はないのです。ペラペラしゃべり出した瞬間、相手は売りつけられると思い警戒してしまいます。

商品説明をすると売れなくなる

「商品説明をしてしまうとかえって売れなくなる」と聞いたこともあります。

自動車のディーラーマンで、ハイパフォーマーではあるものの、「車にはあまり詳しくないんです」という方がいました。

ディーラーマンですから、当然車の説明をします。しかし、お客様は車の説明を求めていない場合が多いと彼は言います。

「車はイメージ商品です」と彼は言い切ります。

「この車を買うと、どのように使えて、どんな楽しいことが起こりそうか、イメージを膨らませられれば、車は売れたも同然」と言うのです。

また、自分がしゃべるよりもお客様から話を聞くことを優先する、というこだわりも持っていました。

「話を聞いてもらうと、相手のことを信頼する」というケースが確かにあるのです。