「結論を急がせない」ほうが信頼される

あるお客様は「家族でキャンプに行くときに乗って行ける、ある程度ごつい車がいい。一方で街中でもオシャレに乗りこなせる車がいい」という希望を持っていたそうです。

そこまで聞いて、初めて特定の車を勧めます。

「それなら、この車がお勧めです。一見ごつく、キャンプ場などでもけっこう目立ちますが、曲線が多く使われているので、街中でもオシャレなSUVとして違和感なく乗ることができます」
「また、この車は山道と街乗りとでシフトチェンジできる機能がついているので、どちらも快適に乗りこなすことができます」

そしてあえてクロージングをかけないのです。結論を急がせない。車や住宅など、大きな買い物の場合、契約を焦ると逆効果だというのです。

「急がずじっくりお考えください」と余裕を見せたりします。お客様もそう思っているので、その一言に共感し、担当セールスに信頼を寄せるのです。

こうなればもはや、車を買うときはこの人から買おうという考えに至っています。

ハイパフォーマーは「すぐ返事をしない」

私はライフワークとして、延べ3000人以上に対してインタビュー・分析を重ねてきました。インタビューをしてみると、ハイパフォーマーとアベレージパフォーマーとの間に、はっきりと違う点が発見できます。

その1つに「質問に対して即答するか否か」という点があります。

腕を組む人のイメージ
写真=iStock.com/tadamichi
ハイパフォーマーは「すぐ返事をしない」(※写真はイメージです)

「即答するほうが優秀」であると一般的には見られがちかもしれません。

しかし、質問の内容や状況にもよりますが、じっくり考えて答えるべき質問にも焦って即答するような人は、ハイパフォーマーには見られません。