数値化することはむしろ「人間味」をもたらす
私たちは「数値化すべき」と言われると、何か非人間的な印象を受けてしまいがちですが、実は逆なのです。行動を数値化することで無駄な努力を減らせますし、成果もはっきりしますから手応えを感じられます。
実際、キーエンスの離職率は3~5%台で推移していますが、これは厚生労働省が発表した令和3年度の離職率である13.9%よりもかなり低い数値になっています。
同じく厚生労働省が発表している同年度の産業別離職率では製造業が9.7%となっていますから、業界内で比べても大きく下回っています。
この離職率の低さの要因の一つに、数値化によって逆に社員の「不要なストレスやプレッシャー」を排除できていることが関係しているかもしれません。
仮に「結果」が振るわない場合でも、「原因」が客観的にわかりますから、安心して次の手を打つことができます。
つまり、「行動を数値化する」ことは、むしろ仕事に人間味をもたらすと言えます。
数値化で努力が報われるようになるのは営業部門だけではありません。たとえば人事部であれば、採用において入社人数が少なかった場合、人材採用活動のプロセスを分解して数値化すればいいのです。
数値化することで、原因が「面接での通過率が低かったこと」にあったのか、「内定後の入社率が低かったこと」にあったのかなど、一番大事な「Where(どこに原因があるのか)」が見えてきます。
「Where」が特定できたら、あとはそれを一つ一つ改善していくだけです。