本連載では、“伝説のトップコンサルタント”堀紘一氏に、メルマガ編集チームがまとめたリーダーたちの悩みをぶつけ、ズバッと斬っていただきます。(2022年12月19日レター)

――日野自動車、三菱電機の品質不正問題が報道されています。このような不祥事が起きると、いつも決まって再発防止策、組織風土とガバナンスの強化策が出されるのですが、同じ組織で不正問題が長く続いてしまうのはなぜなのでしょうか。どんな対策を講じるべきなのでしょうか?

【堀】サラリーマンは前任者がやっていたことをそのまま引き継ぐものです。なぜならば、同じようにやらないと成果が未達になってしまう仕組みがあるからです。未達になれば上司に顔向けできず、出世にも響きます。だから前任者が不正を働いて結果を出していたとしても、多くの場合そのまま引き継いでしまうのです。皮肉な言い方をすると、排出ガスや燃費試験で初めて不正を思いついた人は、引き継いだ人たちに比べればクリエイティブだったと言えるかもしれません。

(構成=今井道子)