※本稿は、保坂隆『精神科医が教える 心と体をゆっくり休ませる方法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
ストレスに強くなる食生活
ストレス解消と日ごろの食生活や栄養のとり方は無関係ではありません。
偏った食生活はストレスを解消するどころか、ため込むことになりかねません。とくに外食の多い人や偏食気味の人は、だんだんに栄養のバランスが悪くなり、栄養失調や栄養過多にもなりかねません。
「毎日サプリメントを飲んでいるから」と自信のある人もいるでしょうが、サプリメントに含まれていない微量栄養素や、食物からとったほうが効率的なミネラルもたくさんあるので、とにかく食事の内容をチェックしてみましょう。
ストレス解消に効く代表的な栄養成分は次のようなものです。「最近、食事がいい加減になっている」と思ったら、ぜひ積極的にとってみてください。
●ビタミンB群……精神を安定させ、集中力を高めます。不足するとストレスに対する抵抗力が落ちるので注意。ビタミンB1を含む食品は、穀類の胚芽、豚肉、レバー、豆類など。B2の多い食品は卵、大豆、乳製品、葉菜類など。B6が多いのは、カツオ、マグロなどの魚類、レバー、肉など。B12の多い食品は魚介類やレバーなど。
●ビタミンC……抗ストレス作用を持つ副腎皮質ホルモンの合成を促進して、強い抗酸化作用があります。ビタミンC群の多い食品は、キャベツやブロッコリー、ピーマンなどの緑黄色野菜、レモンやイチゴなどの果物、緑茶など。
ストレスや喫煙は、体内のビタミンC消費量を上げるので要注意です。
●カルシウム……精神を安定させ集中力を高めます。カルシウムを多く含む食品は牛乳、チーズ、小魚、桜エビなど。糖分をとりすぎるとカルシウム不足になりやすいので気をつけましょう。
●亜鉛……新陳代謝をよくし、免疫力を高めます。不足すると意欲が低下します。亜鉛の多い食品は牡蠣、納豆、煮干し、ソバ、ゴマなど。
亜鉛の不足は味覚障害の原因になります。


