睡眠の質を高める方法は何か。医師の保坂隆さんは「日本人はとくに白を好む傾向が強く、ホテルや旅館の寝具はほとんど白で統一されているが、白い寝具で寝た場合、ほかの色と比べて浅い睡眠になるケースが多いとわかっている。『寝具の色と睡眠の関係』を調査したデータでは、質のいい睡眠時間が最も短かった色は『紫』だった」という――。

※本稿は、保坂隆『精神科医が教える 心と体をゆっくり休ませる方法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

ベッドの上の時計
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不眠に悩む人に足りていないちょっとした活動の種類

睡眠の質を高め、心身を休めるには適度な運動が重要です。

昼間、しっかりと働き、体を動かすと、体温が十分に上がり、やがてそれが下がってくるころ、つまり夜になると眠くなってきます。私たち人間の体は、こうしたリズムを刻んでいるのです。

逆に、昼間、ごろごろしてあまり体を動かさないでいると、体温の上昇、下降といった生体のリズムが狂い、体内時計もずれてしまいます。当然、夜になっても、眠るというスイッチが入りません。現代人には、こういった不眠が増えているようです。

そのうえ、オフィスでは体を動かさず、パソコンの画面などと向き合ったままのワークが多いでしょう。このような場合、精神的疲労と肉体的疲労のバランスが大きく崩れてしまっています。

こうして、引き起こされるのも不眠なのです。精神的疲労ばかりが大きいと、ベッドに入ってからも、疲労の原因となったストレスから脳が解放されずに、むしろ目がさえてしまうからです。

体を動かすといっても、とくに気張ってスポーツジムに通う必要はありません。通勤時に1駅分歩いてみるとか、昼休みに軽いストレッチ体操をするだけでも、効果は期待できます。

普段使わない筋肉を動かすようにすると、体は思った以上に正直で、うまく反応してくれるのです。

ある30代の女性のケースですが、ダイエットで、会社の2駅前で地下鉄を降りて歩くことにしました。すると、ダイエットに成功しただけでなく、それまで寝つきも悪かったのに、自然にぐっすり眠ることができるようになったのです。

気がつくと、頭痛も肩こりも解消していたとか。不眠に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

ただ体を休めても、精神的疲労はとれない