「マーカーを引く」はムダな勉強法だった

「地頭のいい人」とは、どんな人でしょうか。いろいろな定義があると思いますが、私が「地頭のいい人」と聞いてイメージするのは、その場ですぐに高いパフォーマンスを出せる人です。たとえばその分野の専門家ではないのに理解が早い。予備知識がないのに、ちょっと学んだだけで核心を突いた質問をする。みんながモヤモヤしている問題の本質をパッと言語化できる。

このように、どちらかというと短期決戦的な頭の使い方がうまいと、「あの人は地頭がいいよね」と評されることが多いようです。

もちろん時間をかけて難しいことを深く理解したり、大きな仕事を達成したりする人もいます。どちらも「頭がいい」という点では同じですし、どちらのタイプが求められるかは、目的やシチュエーションにもよると思います。

ただ、短時間でインプットとアウトプットができると、人から「地頭がいい」と思ってもらえる可能性が高まることは間違いありません。

短時間でのインプットとアウトプットを実現するためには、なんといっても記憶力を鍛えることです。

ちなみに記憶力には2種類あるのをご存じでしょうか。1つ目は「一度覚えたらずっと忘れないこと」。2つ目が「知らなかったことでも、すぐに理解して記憶すること」です。

地頭がいい人が得意なのは、後者のほう。つまり、あまり時間をかけなくてもものごとを理解できて、それが必要なあいだは記憶を保つことができるのが地頭のいい人です。

たとえばプレゼンで予想外の質問が飛んできたとき。相手が知りたいことを即座に察知し、前の晩に即席で勉強した知識を引っ張り出して、自分の言葉で回答できると、みんなから「この人はすごい」と一目置かれるはずです。

資格試験の勉強でも、同じことがいえます。本当は勉強したことをずっと覚えているのが理想ですが、社会人が勉強できる時間はどうしても限られています。短い時間内に大量の知識を詰め込んで、試験が終わるまででいいからそれを忘れずにいられる人が合格できるのです。

それでは、どうすれば記憶力を高めることができるのでしょうか。幸い、最近の心理学や脳科学では、効果のある勉強法が明らかになっています。逆に、ポピュラーだけれどもあまり効果がない勉強法も判明しつつあります。たとえばテキストを何度も読む「読み返し」や、重要な箇所にマーカーなどで線を引く「ハイライト」。どちらも定番の勉強法ですが、記憶の定着には微々たる効果しかないことがわかっています。学生時代と同じやり方を続けている人は、勉強法を見直すタイミングかもしれません。それに今は、昔はなかったような学習動画やポッドキャストなどの音声コンテンツで勉強することもできます。追って、科学的な根拠に基づいた最新の勉強法を紹介しますので、ぜひ試してみてください。