日本には、海外から見て魅力的な点がいくつもある。それにもかかわらず、日本人は日本に停滞感を抱いている。その停滞感は、なぜ生まれるのだろうか。打破する方法は何か。

脳科学をやっていると、自分の個性を見極めるのは難しいということを常に感じる。欠点を修正する必要があるのに自分ではそれと気づかなかったり、逆に他人から見れば魅力的な点が本人にはわからなかったりする。

日本人は「心の貧困」に陥ってしまっているという見方がある。最近しばしば耳にするこのような論調にも、自分で自分のことを知ることの難しさを感じる。本当に私たちの心は貧しいのだろうか? 日本人は、案外、自分たちのことがわかっていないのではないか。

確かに、最近の日本はネガティヴなニュースが目立つ。物騒な事件が多いような印象がある。生活や将来への不安、社会的孤立が背景にあるともされる。そのような点からは、日本は「心の貧困」の中にあるようにも思える。

(撮影=相澤正 写真=iStock)