リーダーが意識するべきことは何か。エグゼクティブ・コーチの林健太郎さんは「リーダーでいることは、『ステージに立っている』ということ。部下という観客の前で、リーダーという役を演じ切らなくてはいけない。チームの色はリーダーしか決められない」という――。

※本稿は、林健太郎『チームが「まとまるリーダー」と「バラバラのリーダー」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

窓の外を眺める人の手
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その肩書だけで、十分「厳つく、厳めしい」

チームがまとまるリーダーは「好感度」を上げ、
バラバラのリーダーは「威厳」を示そうとする。

「リーダーは威厳を示さなければ」

と思っている方に、心得ていただきたいことが2つあります。

その1。リーダーはその肩書だけで、十分「厳つく、厳めしい」ということ。

ひらがなにすると、「いかつく、いかめしい」。要は、怖いのです。

課長・部長・取締役・社長……ポジションが上にいくほど、近寄りがたい印象を受けるでしょう? そこへ、さらに威厳を上乗せする必要などまったくありません。

その2。近年、「威厳あるリーダー像」は、時代遅れになっています。

背景にあるのは、2000年代のIT革命。

それ以前は、上層部にいる人ほど、情報を速く・多く得られました。「キミたちの知らないことを伝授しよう」という威厳がフィットする時代だったと言えます。

しかし今は、誰もが社内外から情報を入手できます。むしろ若い人のほうがITに強く、情報収集力も上。偉そうに教えを垂れても「それ、古いです」と言われかねません。

これからの時代、ものを言うのは威厳ではなく「好感度」です。

ここで描いていただきたいイメージも、2つあります。

その1は、ご存じ「上司にしたい有名人ランキング」。

あのリスト、つまりは「好感度ランキング」ですよね。

名を連ねる方々が、本当に上司に向いているか否かは重要ではありません。

「人間は、『好き』と思える人と働きたがる」という事実、ここが大事です。