国民の得票数でもトランプ氏が勝利した 

今回のアメリカ大統領選挙は、米国内ではドナルド・トランプ、カマラ・ハリス両候補が伯仲していると大方が予測していたが、ふたを開けてみるとトランプ氏が多くの支持を獲得して当選した。

本棚の背景に古い地球儀
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アメリカ合衆国はその名のとおり、各州の主権を残した統一国家である。大統領は国民全体の投票数で決まると思われがちだが、実際にはそうではない。州ごとの投票で有権者の過半数の票を獲得した候補者が、その州の選挙人を総取りするため、トランプ氏が2016年に選出された際には、対立する民主党のヒラリー・クリントン候補よりも得票数が少なかった。今回、得票数でも勝利した共和党とトランプ政権は、かなり強引な人事、政策案を打ち出しているように見える。

とはいえ、今回の選挙でトランプ氏は約7700万の票を獲得するのにとどまり、20年にバイデン氏が獲得した史上最多の得票数約8100万にはおよばなかった。前回は民主党がトランプ批判の戦術を成功させて、多くの有権者が投票に参加した。その結果、バイデン氏が固定票を多く持つトランプ氏を抑えて当選したが、今回は当時バイデン氏を支持した有権者の一部が投票を棄権したため、トランプ氏の強固な支持層が影響力を発揮し、勝利につながったというのが端的な説明である。