共感を与えるのに有効な方法は、自分のキャラクターを押し出すことだ。ウケる話を大きく分けると、キャラに関係なく面白い話と、そのキャラだからこそ面白い話がある。前者はある程度のテクニックさえあれば、誰が言っても笑いになりやすい。それに対して、後者は自分のキャラを武器にできる。たとえば、太っている人が、
○「いやー、暑くて汗かいたから、ここにくるまで30キロ痩せちゃいましたよ」
と言ったとする。こうしたキャラを活かした自虐ネタは、愛されやすい。
もしあなたが周りから「堅物で真面目だな」と思われているのであれば、まずはそのキャラを徹底する。
○「提案資料をホチキスで留めてたんですが、何回やっても紙が揃わないんで昼飯食いそびれちゃいました」
と話せば、「真面目すぎんだよ、おまえは!」と共感を呼び笑いが起こりやすくなる。そしてその真面目さが周知されたら、今度は何かをふられても「それ、適当でいいです」と周囲の期待を裏切る。そうすると「そこは真面目にやれよ!」と新たにフリ・オチの笑いが生まれるのだ。
ただしキャラは、自己認識と他人の評価に差があることが多い。キャラを把握するためには、自分史を書くことと“他己分析”をお勧めしたい。
(構成=鈴木 工)