12年12月に新首相に就任した安倍晋三氏が、日本経済の再生プランとして提示したのが「アベノミクス」と呼ばれる経済政策だ。日本再生は国民が期待するところだが、アベノミクスで可能なのか、識者に聞いてみた。
東レ会長 
榊原定征氏

【榊原定征】私も民間メンバーの1人に選ばれた「産業競争力会議」は、安倍政権における成長戦略を担うことになる。日本の産業再生、とりわけ製造業の国際競争力の強化は待ったなしの局面にあり、会議の設置は、産業界として千載一遇のチャンスと捉えたい。

なぜなら、製造業を国の根幹に据えるというのが、日本の基本的な“国のかたち”だからである。1億2000万人の国民に必要な食糧や燃料を輸入するために30兆円かかる。そのための外貨を稼いでいるのは、輸出の約90%を支える製造業にほかならない。

(岡村繁雄=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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