2012年12月16日、衆議院議員総選挙において自民党が大勝利をおさめ、同26日に第二次安倍内閣が誕生した。「アベノミクス」を引っ提げて発足した政権の中で、多大な影響力を持つのは安倍晋三氏の盟友でもある麻生太郎副総理兼財務相だ。

政権発足後、麻生氏は、閣僚として初となる外交活動にミャンマー訪問を選んだ。なぜ多忙な副総理が正月休みを返上してまでミャンマーに? と思った方もいるだろう。実はそこには、「アベノミクスとミャンマー投資の浅からぬ関係」があったのだ。

ミャンマーは世界の経済戦争の主戦場

日本が正月休み中であったためか、麻生氏のミャンマー訪問はそれほど大きく報道されたわけではなかった。しかし、総理の親書を携えてのこの訪問は、ミャンマーが安倍政権の経済政策実行においてとても重要であることを意味している。

思い返せば、昨年の11月19日、再選を果たしたオバマ大統領が何より先に実行したのも、現職の米国大統領として初となるミャンマー公式訪問だった。オバマ大統領と麻生副総理の電撃ミャンマー訪問は、政治的にも経済的にも、いかにミャンマーが両国にとって重要であるかを理解するに難くない。

そう今、世界中の国々が、この地を舞台に新たな“戦争”を始めている。ミャンマーは、世界の経済戦争の主戦場なのだ。