都知事選の論戦テーマになる「東京カジノ」
小池百合子氏が3選を目指した2024年の東京都知事選が、同年6月20日告示、7月7日投開票で実施された。広島県安芸高田市長だった石丸伸二氏や立憲民主党で参院議員を務めた蓮舫氏ら多彩なメンバーが立候補し、首都トップの座をめぐり、熱戦を繰り広げた。
2016年8月からトップを務め、今回の選挙で3選を果たした小池氏は、どう語ってきたのだろうか。前回2020年7月にあった都知事選は、「東京カジノ」が論戦テーマの一つになっていた。そこでの発言から拾っていこう。
振り返ると2020年になって本格的に広まった新型コロナウイルスへの対応に伴い、小池氏のメディア露出が激増。強いリーダーを演出することに成功し、その年の都知事選では当初から圧勝が見込まれていた。実際の得票数も366万票を超え、得票率は6割近くに。次点の宇都宮健児氏(弁護士・元日弁連会長)は84万票超にとどまり、下馬評通りの結果となった。
コロナ対応の是非などに加え、会見や候補者討論会ではカジノ誘致の是非も繰り返し問われた。同年6月15日、小池氏の政策発表会見では、一人の記者が質疑の時間に切り込んだ。
「誘致の是非について」記者からの問いには…
【記者】IR誘致についてお尋ねします。知事は常々、IR誘致について是非は明言をしてきておりませんでした。例えば今度の知事選では、競合される候補者に反対の方がいたり、積極的だったりする方がいます。有権者にIR誘致に関する選択材料を与えるという意味でも、誘致の是非について、姿勢を明言していただけますでしょうか。
【小池氏】これについては、ずっと申し上げていますけれども、メリット、デメリット両方があるわけでございます。そしてまた、例えば、今コロナというような状況もございますけど、今後どうやってこの東京を魅力的な街にしていくのかという点でのIRの存在。また一方で、それによる依存症という問題もございますので、引き続き、メリット、デメリットについては検討をしていくという姿勢には変わりがございません。
続く6月17日には、立候補予定者の共同記者会見があった。候補者同士による質問タイムがあり、IR誘致反対を明確にしている宇都宮氏が小池氏に問うた。