「賛否を明らかにすべきではないのか」

【宇都宮氏】カジノの誘致計画はきっぱりと中止すべきではないかと思いますけど、その点、どのようにお考えでしょうか。カジノは博打なので、負けた人の犠牲の上に成り立つ商売なのですね。人の不幸の上に成り立つような、カジノ誘致はきっぱり中止すべきだと思いますけど、いかがでしょうか。

【小池氏】今お話もありましたように、勝つ人というか、負ける人のことをベースに成り立っているというようなご質問だったかと思います。一方、観光という点では、それは誘客についてはメリットもある。これらメリット、デメリットを含めまして、研究をしているということで、総合的な検討が必要だという姿勢でございます。

この会見では、日本記者クラブの企画委員も重ねて質問している。

【委員】カジノを含む統合型リゾートの誘致に関して質問させてください。今のところですね、小池さんも先ほどおっしゃっていましたけれども、メリット、経済成長というメリット、またギャンブル依存症、そういうデメリットの両面を踏まえて検討するということで、はっきりと賛否は明らかにされていないのですけど、この選挙戦でやっぱり小池知事も賛否を明らかにすべきではないのかと私たちは考えております。

このように迫られても、小池氏は定型を崩すことはなかった。

「東京にカジノを誘致する?」の質問には「△」

【小池氏】かねてより、申し上げておりますように、まず外国人の旅行客を始めとする観光、経済への成長を進めていくというメリットはあります。まさしく稼ぐ東京であります。一方で、先ほどから出ておりますように、依存症の問題等があるわけでございまして、ここをずっとメリット、デメリットの検討をしているということであります。

国もですね、さまざまな計画が今後ろ倒しになっているというふうに聴いております。それらのことを見ながら、総合的な判断、検討をしていくということであります。

6月27日には小池氏、宇都宮氏ら候補四氏が集まった討論会があった。報道やドキュメンタリー制作に携わるディレクターや監督らによる有志の映像制作集団「Choose Life Project」が企画した。「東京にカジノを誘致する?」の質問に対し、小池氏の回答は「△」。司会のジャーナリスト津田大介氏から理由を問われ、次のように答えた。

【小池氏】これはご承知のように観光産業としてのメリット、そしてまた、それによってさまざまな依存症をつくってしまうということ、メリット、デメリットがあるということで検証を、または研究を重ねているということから「△」を出させていただきました。