ムダな時間が多い職場体質に巻き込まれないようにするにはどうすればよいか。人材育成コンサルタントの松崎久純さんは「こうした職場の体質を変えるのは至難の業で、余程の強制力がないと改善は見込めない。そのため、その職場で時間を有効に使いたければ、自分自身で工夫した取り組みをするしかない。資格取得を目指していることを公言しておくのはいい方法だ」という――。

ムダの多い職場が不満

30代会社員の方からのご相談です――数カ月前に転職して、今の職場に勤務していますが、職場の体質なのでしょうか、時間のムダと思えることが多く戸惑っています。たとえば毎朝グループミーティングと称して、井戸端会議のような話し合いが行われるのは、その一例です。個人的には、やたらと頻繁に開催される飲み会にも閉口しています。私はもっと有意義に時間を使いたいのですが……。

この質問には、2つの悩みが混在しているようです。ムダが多い職場のこと、それからご本人が時間を有効に使えていないことです。

あれっ、職場がムダの多い体質なので、時間もムダになっているのでは? こう思えたでしょうか。

確かに、相談者の方は、そのようにおっしゃっていますが、これらは区別して捉えるべき事柄なのです。

なぜかと言えば、こうした職場の体質を変えるのは至難の業で、余程の強制力がないと改善は見込めません。そのため、その職場で時間を有効に使いたければ、自分自身で工夫した取り組みをするしかないからです。

パソコンの上の砂時計
写真=iStock.com/HAKINMHAN
※写真はイメージです

いかに自分が時間を大事にするか

おそらく相談者の方の頭の中には、ムダに時間を使う従業員たちの行いが、カタログのようなリストになって存在しているでしょう。しかし、それらの一つひとつに考えをめぐらすのは、更なる時間のムダになりかねません。

おそらく相談者の方も気づいているとおり、その人たちが、自ら変わろうとする可能性は少ないですから、ここは現実的に考える必要があります。

お勧めしたいのは、ムダの多い体質の職場に居ながらも「自分が時間を大事にする」方法を模索することです。

そうすることだけが、現在の職場で、できるだけ有意義な時間の使い方を導き出してくれます。

別の言い方をすれば、今の環境で時間を有効に使おうと思ったら何ができるか。それについて考えてみるのです。

相談者の方は、このように割り切って考えることが必要かと思います。