資格の取得に取り組む

自分が時間を大事にする方法について、具体的に考えてみましょう。

これは相談者の方だけでなく誰にでも言えることですが、社会人は資格の取得に取り組むと、時間を大事にするようになっていきます。

夕方帰宅してから、資格試験に向けた勉強の時間を確保したいとなると、朝から一日の時間の使い方、すなわち仕事の進め方について、それまで以上に気を遣うようになります。

しなくてもいいような残業をダラダラ続けたいとは思わなくなりますし、定時に帰宅できるように、テキパキと仕事をこなすようになるものです。

勉強して資格を取得すること自体が有意義なことですが、それは同時に時間管理にも効果を発揮するのです。

また、資格の勉強をしているとなれば、飲み会への参加を断るよい理由にもなるでしょう。

相談者の方も、資格試験の勉強をする人たちのように、自分自身の仕事の進め方を検証してみてはいかがでしょうか。

勉強をする人
写真=iStock.com/PeopleImages
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ランチの時間はどうか

別の例で、自分自身が時間をムダに使っていないか考えてみましょう。

たとえば昼休み、ランチの時間についてです。

「昼休みのことなど放っておいてほしい」と感じる人もいると思いますが、時間の使い方について意識を高く持っていれば、一度、分析的に考えても損はありません。

ランチのとり方は、人によってさまざまですが、皆でのらりくらりと店まで移動することや、コンビニの列に並ぶこと、そのためにエレベーターで移動したりすることもムダでしかない。こう考える人も多くいます。

ごくたまになら目くじらを立てることはないと思いますが、それが毎日となれば、改善策を考えてもいいでしょう。

自分の職場で「こんな昼食のとり方が当たり前でうんざりしている」と、私に話してくれた人がいました。

要約すると、こんな感じです。

彼らは、ランチをとるのに、連れ立って車で移動します。

誰が車を出して、誰がどの車に乗り込むか。そんなことから話がはじまります。駐車して、店まで歩き、店によっては靴を脱いで座敷に上がり、ランチメニューをじっくり見て注文をはじめます。

どうでもいい話をしながら食べ、よっこらしょと立ち上がって、会計を済ませると、来たときと同じことをしながら会社に戻ってくる。

こう話す本人によると、彼の職場は仕事中の私語も多く、皆いつもダラダラと残業をして、定時にさっと帰宅する人はいないとのこと。

時間を有意義に使いたい人は、こんな人たちと過ごしていいものではありません。

そう言うと「同僚とコミュニケーションを取ることも大事だ」と反発する人もいそうですが、これは仕事のできる人たちの時間の使い方ではないでしょう。

私たちも自分自身が、この例と似たことをしていないか検証したいところです。よく考えてみると、思い当たることもあるものです。

昼食を一人でとっている人も、トボトボとランチに出かけ、ぼんやりと書店で雑誌をながめて帰ってくる。こんなことが日常的になっていないでしょうか。

一体それの何がわるいのかと思う人には、無理に押し付けるつもりはありません。

しかし、前出の資格試験を予定している人であれば、20分だけでも勉強できたかも。平日の5日間で100分、演習問題に取り組めたと考えるかもしれません。