職場の人間関係に悩んだ時、どうすればいいか。福厳寺住職でYouTuberの大愚元勝さんは「多くの人は他人のせいにしがちだが、ブッダは『自分の心』に原因があると説いた。このことに気づくことで、謙虚さや他人に対する寛容さを持つ一流の人になることができる」という――。
ワットアルン、バンコク、タイの仏
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家庭でも職場でも、悩みの種は人間関係

「人間」という文字は、「人の間」と書く。

そう、私たちは人と人との間に生きている。

どれだけテクノロジーが進化しようが、AIが進化しようが、やっぱり私たちは、人の間に生きているし、人の間にしか生きられない。

だから、良好な人間関係を築き保つことは、私たちが安心して生きるための最も基本的、かつ重要なことだ。ところが悲しいかな、人間関係を良好に保つことは簡単ではない。大恋愛を経て一緒になった夫婦でも、数カ月もすればケンカが絶えなくなり、不妊治療までして授かった子どもとの関係でも、なかなか思い通りにはならない。

なぜなら人間関係こそが、あらゆる生活技術の中で最も難しいからだ。

ブッダ「あらゆる苦悩には原因がある」

これは家庭に限ったことではなく、職場においても同じだ。ビジネスマンにとって、あらゆるビジネススキルの中で最も習得が難しい技術が「人付き合い」なのだ。

しかし、だからこそ人間関係が下手な人より巧みな人のほうが、ビジネスは圧倒的に有利になる。そして少しでも人間関係が巧みになれば、仕事がもっと楽しくなるはずだ。

それにしてもなぜ、私たちは人付き合いが苦手なのだろうか。なぜこれほどまでに人間関係は上手くいかないのだろうか。幸い、今から2500年前のインドに、その原因と処方箋を発見して伝えた人がいる。それがブッダだ。

ブッダは、「あらゆる苦悩には原因がある」と説いた。そう、人間関係の苦悩にも、必ず原因があるのだ。

その原因とは、「自分」である。