Facebookから企業が離れつつある。成蹊大学客員教授の高橋暁子さんは「若者のFacebook離れだけでなく、大人世代のFacebook離れも進んでおり、自社サービスと連携しても集客が見込めなくなっている」という――。
2021年10月28日、社名を「メタ」に変更すると発表した、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEO
写真=©Pavlo Gonchar/SOPA Images via ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ
2021年10月28日、社名を「メタ」に変更すると発表した、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEO

有名サービスが次々と連携を解除

Facebookアカウントを利用して会員登録やログインできる「Facebook連携」を解除するサービスが相次いでいる。

2022年には「Hulu」、23年には「パズドラ」「マネーフォワードクラウド」、24年には終了の勢いがさらに加速して、「食べログ」「プレミアムバンダイ」「インスタベース」「ポケットマルシェ」などが連携終了を発表した。

サービス側がSNS連携する理由は、ユーザーに利することで結果的にサービス拡大につなげたいという考えからだ。SNSアカウントでログインできることでユーザーの利便性が上がり、結果的にそのSNSユーザー間での利用拡大に繋がることを期待して、多くのユーザーを抱えるSNSでのログイン連携を用意する。

利用者が多く、サービス側での連携機能開発コスト以上に集客に繋がるのであれば、連携を解除する理由がない。つまり、相次ぐ終了の背景には、Facebookで集客が見込めなくなったことがあると考えられる。連携機能の利用者が減り、開発コストと集客の釣り合いが取れなくなったということだろう。

「Facebook、うちの親がやってます」

「Facebook、知ってますよ。うちの親がやってます。周りはだれも使ってないけど、名前は分かります」

大学生はSNSが大好きだ。大学の講義中にSNSの話をすると、大抵だれかが使っていて話に食いついてくる。SnapchatもDiscordもZenly(※)もBeRealも、必ずヘビーに使っている学生がいて、自分の体験を話してくれた。ところがFacebookはだれも反応しない。

※2023年2月にサービス終了

それでもあえて聞くと、上記のような反応が返ってきた。名前は知っている、親が使っているから。でも自分は使ったこともないし、興味もない。そんなことが続き、私も大分前から、学生に話す際にはFacebookは除くようになっている。