新興のBeReal、Threadsにも抜かされた

若者のFacebook利用率が右肩下がりであることは、マクロミルの新成人500人を対象とした調査(2023年12月)でも明らかだ。

SNSの利用について聞いたところ、FacebookはInstagramやX、Twitter(現X)はもちろん、新たに追加されたBeReal(16.8%)とThreads(9.6%)に抜かされる結果となってしまった。

これは、米国でも同様だ。ピュー・リサーチ・センターは、2014年から13~17歳の若者を対象に、SNSの利用動向を調査している。2023年の調査によると、YouTube(93%)が利用率トップであり、TikTok(63%)、Snapchat(60%)、Instagram(59%)も相変わらず人気が高い。

一方で、10代の中でFacebookとXの利用は減少傾向にある。Facebookは2014年の71%から33%にまで減少。XもFacebookほどではないが、過去10年で縮小傾向にあるのだ。

ユーザーが高齢化し「食べ物の話ばかり」

若者世代のFacebook離れは以前から言われていたが、大人世代も徐々にFacebook離れを起こしている。投稿しなくなった友人は少なくないし、別のSNSに場を変えた人も多い。

最近、Facebook投稿を見かけなくなった50代の友人は「友人たちの投稿も減ったし、新しい出会いも、情報との出会いもなくなったからかな」と話す。「以前は業界の最新の情報が得られたのに、今も投稿している人は食べ物の話ばかりで、見るべき投稿がなくなった。そもそも忙しいし、そんな投稿を見ている時間はない」

“大学生のSNS”から20年経ち、ザッカーバーグ自身も40歳の立派な中年となり、ユーザーもそのまま年をとってしまった。ユーザーの高齢化が進んでおり、若者を取り込めていないのだ。

Facebookが日本で流行したのは2010年だ。そのころ始めた人は、同じつながりのまま10年以上利用していることになる。当時大学生だった人ももう30代半ば。友人とのリアルなつながりが少しずつ減っていくように、Facebookの利用も自然に減っていくのはやむなしではないだろうか。