地域ブランドの構築に力を入れる地域は多い。企業のブランド構築はそのお手本とみなされることがある。筆者は地域と企業のブランド構築は違うとして、地域ブランドを着実に展開する方法を考える。
地域ブランドの構築を願う地域は多い。そのお手本に企業のブランド構築実践がある。それをお手本にした地域ブランド本も、すでに何冊もある。だが、企業ブランドの構築と地域ブランドの構築を同列に置いて議論できるのだろうか。少し前だが、ある県が、県ブランドをスタートされるというおめでたいシンポジウムに呼ばれ、パネラーとして意見を述べているうちにそのあたりが気になってきた。今回は地域ブランドをテーマに取り上げよう。
企業ブランドの守るべき要諦とは
ブランドというと、ヨーロッパの高級ブランドしか思い浮かばなかった時代はそれほど遠い昔ではない。1990年代にブランドを市場戦略の主軸に置いた経営を試みるのは、P&Gやコカ・コーラやネスレなど外資系メーカーが目立っていた。しかし、いまやわが国の消費財産業でブランドを主軸に置かないメーカーはない。
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