売り上げ横ばいとされる鉄道業界の中で、JR九州の躍進が目覚ましい。赤字路線を抱えつつ、地の負を利に変える逆転の発想で経営体質を改善。2016年度までの上場を目指す、同社の挑戦を追った。

1人55万円!豪華寝台列車の目算

ななつ星 in 九州

ななつ星 in 九州
(2013年運行予定、九州周遊)
12年5月に発表された豪華寝台列車。全国的には廃止が相次ぐ寝台車にあえて新規参入し、日本のオリエンタルエクスプレスを走らせることで、九州全土の知名度アップを目指す。3泊4日1人38万円と強気な価格設定ながら、アジアの富裕層を視野に入れた販売戦略を採り、早くも反応は好調だという。 (ドーンデザイン研究所=パース画提供)

度肝を抜く規模と派手な仕掛けの新型列車の発表会だった。

2012年5月28日、JR博多シティ内のJR九州ホールには、上海、香港、韓国のメディアや旅行会社を含む、およそ300名もの内外の招待客が集結していた。