幸せになるにはどうしたらいいか。スタンフォード大学脳神経外科部臨床教授のジェームズ・ドゥティさんは「自分の願望を潜在意識に埋め込むことができると、目標に集中する脳の部位が活性化し、願い通りの人生を歩むことができるようになる。これは脳の神経可塑性を利用した『マニフェステーション(願望実現)』と呼ばれる方法で、最近ではその有用性が科学的に証明されている」という――。

※本稿は、ジェームズ・ドゥティ『スタンフォードの脳神経科学者が証明!科学がつきとめた「引き寄せの法則」』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

悲しむ女性
写真=iStock.com/stockbusters
※写真はイメージです

人間には不可能を可能にする力がある

わたしたちの多くは、物心ついたときからずっと、何か外側の力に、自分の問題を解決してもらいたいと願っている。それは宝くじに当たることかもしれないし、すべての答えを知っている賢人の存在かもしれない。あるいは、守護天使やランプの精といった神秘の力が、自分の願いをすべてかなえてくれることを夢想している人もいるだろう。

わたし自身も、だいぶ長いことそんな力を信じたいと思っていた。宇宙には厳格な親のような存在がいて、その存在がわたしたちの行動をすべて監視し、その価値があると認めた者だけに理想のマイホームを与えたり、運命の人と出会わせたり、がんを完治させてあげたりしている、と。

いまのわたしは、神経科学者であり、医師でもあるので、そんな力に科学的な根拠はないということはよくわかっている。とはいえ、人間の精神には不可能に思えるような変化を起こす力があり、それを裏づける科学的な証拠がたくさん存在するのも事実だ。この現象は「マニフェステーション(願望実現)」と呼ばれている。